芳野真弥の確率Blog

僕たちが変えられるのは確率だけ(たぶん)

就活生が最初にやるべきこと(後編)

 

前編に書きました通り、就活生が最初にやらないといけないことは、テクニックや思考法を身につけることではなく、就活マーケットがどういうメカニズムで動いているのかを知ることです。その具体例として、前編ではメインプレイヤーについて、中編ではサブプレーヤーとルールについて書きました。

 

今回は最後になりますが、最も大事だけど最も誤解されている「内定が決まるメカニズム」について解説していきます。

 

 

人や企業を評価するのはとても難しい

企業は「今年度はこういう学生が欲しい」というのを決めています。しかし、ある学生に出会ったとき、その学生が自社が欲する人物に合致しているかどうかを見極めるのはとても難しいことです。どこかに、信頼度100%で、かつ低コストで実施できる就活生評価システムがあれば良いのですが、そんなものはありません。同じく、学生が企業を評価する時も、確実な評価方法はありません。そういうもんだと思って、受け入れてください。

 

 

企業の採用活動

リクルートワークス研究所によると、民間企業への就職を希望する学生は、42万人くらいいるらしいです。ある企業が「今年は新卒で100人採用しよう!」と決めたとき、どのようにその100人を選ぶのでしょうか。最も良さそうなのは42万人に実際に働いてもらうことですが、もちろん不可能です。次に信頼性のありそうな選別方法は、会って話をしてみることです。もちろん、これとて絶対的な評価方法ではありませんが「会わないよりは会って話をしてみた方が、より精度良く選別できるであろう」と多くの人が信じているのです。では、42万人全員に会って話をするのか。これも無理ですね。

 

ここで企業は、限られた時間とお金を使って、内定を出したくなるような学生に効率よく出会いたいと考えます。そこで登場するのが、エントリーシートであり、WEBテストであり、学校ランクです。42万人から無作為に抽出した1000人に会うよりも、こエントリーシートや学校ランクを見て会いたいと思える1000人を選ぶ。ただそれだけのことなのです。

 

以上をまとめますと、こんな感じになります。

 

本当は、42万人の中からベストな100人を選出したい。

■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■//■■■42万人

■100人

 

しかし、そんな方法は存在しないので、段階的に「自社の採用要件を満たす確率が高そう」という指標で選別をしていきます。

■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■//■■■42万人
エントリー
■■■■■■■■■■■■■■■■■■■10000人
説明会参加
■■■■■■■■■■■■■■■7000人
エントリーシートWEBテスト、学校ランクなど
■■■■■■■1000人
一次面接通過
■■■■■500人
二次面接通過
■■■200人
内定
■100人

 

ということで、もう一度書きますが、人間を完璧に評価するなんてできやしないので、欲しい学生に出会える確率が高いと思われることを何度か繰り返していき、最終的に内定を出すのです。

 

エントリーシートに何の意味があるのか?」「たった15分の面接で何が分かるのか?」・・・そんなこと言っても仕方がありません。確率的に選出するためにそうするしかないのです。何もせずにくじ引きで決めるよりは、こういうやり方の方が信憑性が高いだろうとみんな信じてやっているだけです。あと、くじ引きで採用する人を決めると採用担当者が仕事していないっぽく見えてしまうので、ごちゃごちゃといろんなことをして「ちゃんと選んでますよぉ~」感を出しているだけです。

 

 

学生側の就職活動

以上の説明は、学生側の意思を完全に無視した説明になっています。しかし、実際には当然学生にも企業を選ぶ権利があるわけです。それで、学生はどうやって企業を選んでいるかと言うと、やっていることは企業と何ら変わりません。

 

知名度、上場している、従業員数、たまたま先輩から聞いた話、売上、パンフレットに書いてある社風、会って話した感じ、説明会の印象、内定を取ったら友達に自信満々に報告できる・・・といった、とても信憑性が高い指標を用いて、エントリーする企業を選び、説明会に行く企業を選び、最終的には内定を承諾する企業を選びます。

 

ここで、学生が就活に失敗する典型的なパターンを紹介します。それは、絶対に入りたいと思える会社を1~2社見つけて、その会社の説明会に行き、選考を受けるというやり方です。就職活動というのは、各プロセスを進んでいくことでどんどん新しい情報を得られるようになっているので、受ける前から絶対に入りたい会社などというものを見つけるのは極めて困難です。それに、確率論で動いてるマーケットの中で、行動量が少ないというのは致命的であり、本当に狂っている戦い方です。目隠しをしてサッカーをやるくらい狂ってます。

 

 

企業の選別×学生の選別で、入社する一社が決まる

ここまで説明してきたように、企業は「このレベルの大学だったら会わない」「この学生は話した感じで一次面接不合格」、学生は「そんな聞いたこともない企業は受けない」「眠いしそこまで興味ないから説明会行くのやめる」みたいな確率論的な選別を繰り返していき、最終的にお互いに思惑が一致したところで内定が決まる。これが、就活マーケットで起きていることです。就活に理想論を求めたり、就活のあり方に文句言ったりしても、何も得られないということがお分かり頂けましたでしょうか?

 

 

僕が一番伝えたかったこと

さて、いま僕が理解している就活マーケットのメカニズムは以上の通りです。就活生のみなさんは、就活というものがどのように行われていくのか分かったと思いますので、これをベースにして「自分は誰を相手に、どう戦っていくか」を考え、勝つために必要な知識とスキルを身に付けていってください。その具体的な中身については、世の中にたくさんある就活本に書いてありますし、その辺の就活セミナーでも教えてくれます。

 

最後に。

 

既に説明しました通り、就活は確率論です。でも、僕が言いたかったのは、決して「確率論だからテキトーにやりましょう」ということではありません。確率論だからこそ、行動量を増やし、各プロセスで次に進む確率をできるだけ高めていかなければならないのです。僕が知る限り、最後まで諦めずに行動を続け、試行錯誤をやめなかった学生の中で、どこからも内定を貰えなかった人は一人もいません。日本の就活はおかしいことがいっぱいあるかもしれません。でも、みなさんが今やらなければならないことは、その仕組みを変えることではなく、その仕組みの中で勝つということです。

 

 

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