僕のキャリア ~物理研究者になりたかったけど気が付いたら社長やってるわろた~ (その4)
そして僕は、国家公務員Ⅰ種採用試験を受けることにした。しかし、これがなかなかのクセモノで、なんというか範囲がめちゃくちゃ広い。国語・算数・理科・社会は当たり前。理科は物理・化学・生物・地学、そして社会は世界史・日本史・政治経済のフルコースだ。おまけに芸術や思想なんかも範囲に入っていた。唯一、数理パズルみたいな問題は楽しかったけど、それ以外は苦痛でも快楽でもない「無」の暗記作業を続けていった。
・・・というのは一次試験の話で、まあ一応合格できたんだけど、二次試験はガッツリ物理の記述問題と小論文があった。僕は自己推薦という堕落者ウエルカムな面接オンリー院試で大学院に入ったため、はっきり言って物理の勉強なんてまともにしたことがなかった。公務員試験のために初めて力学・電磁気学・量子力学・統計力学などを勉強することになったのだ。で、本番はギリギリできたけど、ほとんど対策をしていなかった小論文で落ちた!昔から読書感想文やレポートの作文が大嫌いだった僕は、何の意外性もなく小論文でやられてしまった。国家公務員一直線で、民間企業の就活はしてなかったのに。
こうして、同期は次々と内定を取り、そして入社していく中で「ふんふーん♪ 僕はもっと素敵なお仕事を見つけたんだもーん♪」とか思って、全く落ち込むことなく就職浪人して再度公務員試験にチャレンジした。本当に思い込みというのは恐ろしい・・・。
(続く)
※今度、理系のキャリアをテーマにしたイベントをやろうと思っています。それで、今ちょっと自分の回想録を書いてます。僕のキャリアはともかく、「自分のキャリア」「理系のキャリア」について考え、みんなと一緒に議論したいという方の参加をお待ちしています。
理系イベント情報 » 理系キャリアイベント(第1回) ~社会に出てから困らないために、今できること~