芳野真弥の確率Blog

僕たちが変えられるのは確率だけ(たぶん)

僕のキャリア ~物理研究者になりたかったけど気が付いたら社長やってるわろた~ (その13)

 

僕は東京へ向かった。そして、社長2人を相手に、最後の面接のような面談のような話し合いをした。今の心境を聞かれ「とにかく何でもやります。頑張ります」と答えたが、向こうはやや難色を示していた。1人の社長はSPIの性格検査の結果を見ながらこう言った。

 

「かなり極端に、行動よりも頭で考えるタイプだと出てるんだよねー。ここが心配。もしうちで働くなら、返事は『はい』しか言わないこと。それが約束できるなら内定出すけど。」

 

続けてもう1人の社長も口を開く。

 

「今の会社の状況として、目の前の仕事をどんどんやっていかないといけないので、とてもじゃないけど、いちいち何かを教えてられない。教育はしないと思っておいて。」

 

なるほど。これまでの面接とは明らかに態度や接し方が違う。思いっきり踏み絵をさせてきた。しかし、きれいごとを言われるより、よっぽど分かりやすいし信用もできる。僕は一気に前に踏み出した。もしかしたら向こうの手のひらで踊らされていたのかもしれないけど。

 

僕は「それで大丈夫です。『はい』しか言いません。よろしくお願いします」と言った。1人の社長はニコッと笑って握手を求めてきた。そして、僕がその手を握った瞬間「よろしくな。頑張って!」と言ってくれた。その流れでもう1人の社長にも手を出したが「ま、1ヶ月後に残ってたらね」と言われ、握手は拒否された。

 

なんとも気持ちの悪い面接の終わり方ではあったが、とにかくこれで僕が正社員として、新卒として「就職する」先は決まった。3月まではリクルートで一生懸命やりきって、東京に引っ越して、4月からはこの会社で働くのだ。このよく分からないけど、きっと修業の場としては最高であろうと思われる会社で。

(続く)


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