芳野真弥の確率Blog

僕たちが変えられるのは確率だけ(たぶん)

僕のキャリア ~物理研究者になりたかったけど気が付いたら社長やってるわろた~ (その11)

 

年が明けてから、「では次は社長の1人と会ってください」という連絡が来て、その社長が名古屋に出張に来るタイミングに合わせて、名古屋駅のマリオットホテルのロビーラウンジで面接を受けることになった。当日は決していかにも面接という感じのお堅い雰囲気ではなかったが、その社長がすごい人だということは十分に伝わってきた。僕は就職活動のことはもちろん、普段考えている様々なことを話した。とにかく話しまくった。研究の話もしたし、社会主義がダメなことは歴史が証明している、なんて偉そうな評論話もした。

 

面接が終了して数日後、また採用担当者の女性から「では次はもう一人の社長と会ってください。それと、SPIを受けてください」というメールが来た。SPIはテストセンターで受けたのだが、国家公務員試験の数理問題に比べると恐ろしく簡単で、ちょっとだけ複雑で得意気な気持ちになった。2年間の就職浪人が唯一役に立った瞬間だったのかもしれない。

 

そして、2人目の社長との面接。僕のこの会社に対する志望度は確実に高まっていたものの、「分かった」感はいまいちなかった。何かピースが足りないような気がしていたのだ。だから僕はそのピースを埋めるための2人目の社長との面接を楽しみにしていた。

 

面接場所は、前回と同じホテルのロビーラウンジ。前回会った社長は、とても賢くて真面目でコンサルタントをやっている人だったが、今回会う社長は営業をしており、精密な思考よりも気遣いとかそういうのを大切にしている人だった。ただ、面接中にケーキを頼んでバクバク食べるような大ざっぱさも併せ持っていた。

 

この時も2~3時間は話をしたが、結局「この会社よく分からないな」という感覚が解消されることはなく終わった。しかし、面接の最後に言われた一言は、その後の僕に一歩を踏み出させる大きなエネルギーとなる。

 

「何でもいいけど、とにかく早く何かを始めた方がいいね。」

 

(続く)


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