芳野真弥の確率Blog

僕たちが変えられるのは確率だけ(たぶん)

僕のキャリア ~物理研究者になりたかったけど気が付いたら社長やってるわろた~ (その2)

 

僕が入学した大学の理学部は、2年生に上がる時に学科を選ぶシステムだった。数理学科・物理学科・化学科・生命理学科・地球惑星科学科の5つの選択肢があり、僕はお勉強する教科としては数学が一番得意だったけど、研究は宇宙に関することがいいと夢見ていたので、地球惑星科学科を志望していた。

 

しかし、入学後にたまたま理学部の先輩(名前すら覚えていない)から、「地球惑星科学科は太陽系内のことを、物理学科はその外のことを扱ってる」という話を聞いて、じゃあ物理学科に行こうと思った。その選択に要した時間≒0だ。もちろんそれは僕にとって良い選択だった。

 

4年生から研究室配属があったが、これまた何も悩むことなく選んだ。分野は素粒子物理学の実験なので、一応宇宙の研究と言えなくもない。でもその研究室を選んだ一番の理由は教授だ。授業で話を聞いているうちに、「あぁこの人のところで研究したいなー」なんて思ったのだ。授業自体が面白かった訳じゃない。単なる電磁気学かなんかで、むしろつまらなかった。でもその先生が発する言葉はいつもハキハキとしていて、表現もストレートで、エネルギッシュだったのだ。血の通った自分の言葉で話しているという感じだった。

 

ところで、僕は大学に入学する時点では、博士過程まで進学してそのまま研究者になりたいと思っていた。でも4年生で研究室に配属され、同じ研究室でM1、M2と毎日研究をしているうちにそういう考えは失せていった。理由は2つあって、1つは他に優秀な人はいっぱいいるし別に僕がならなくてもいいじゃんって思ったから。もう1つは、ここに居続けたくないと思ったから。僕はサイエンスが好きだし、特に素粒子物理学はその中でも最も根源的なことを扱う分野であるという変な満足感みたいなものは持っていた。でも、研究生活はなんか楽しくなかった。研究じゃなくて研究生活が。とてもじゃないけど博士課程でもう5年頑張ろうという気は起きなかったのだ。5年間!?そう、僕のいた研究室では博士号を取るのに「最低でも」5年間は必要なのだ。

 

じゃあ、どうするか。普通の就活でもするか・・・?

(続く)

 

 ※今度、理系のキャリアをテーマにしたイベントをやろうと思っています。それで、今ちょっと自分の回想録を書いてます。僕のキャリアはともかく、「自分のキャリア」「理系のキャリア」について考え、みんなと一緒に議論したいという方の参加をお待ちしています。


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